■ 全労交第一波行動 大飯原発再稼働阻止現地闘争

全労交第一波行動


大飯原発再稼動阻止現地行動

 

 全国労働組合運動交流会(全労交)の関西の仲間たちは6月25日、第一派行動として大飯原発再稼働阻止現地闘争に起ちあがった。
 早朝、大島半島「おおい町役場はまかぜ交流センターしーまいる」前に結集する。デモの準備をしている間にも町の人たちが「デモ?」と声をかけてくる。「三菱重工業」「関電パワーテック」「宮川興業」など社名の入ったバスが作業員を乗せ、私たちの横を通り原発へと向かっていく。3号機そして4号機のフル稼働に向け作業がすすめられているのだ。移動の疲れも忘れ、緊張感が走る。
 午前7時45分、「大飯原発再稼働阻止! すべての原発を廃止しよう」の横断幕を先頭にゼッケン・鉢巻き、思い思いのプラカードを手に隊列を整える。デモ出発前に結集した仲間の代表からあいさつをうける。
 まずはじめに、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間が発言にたつ。「おれたちは、四月、五月と大飯原発再稼働阻止の現地闘争を闘ってきた。本日は三回目の現地闘争だ。1970年代から原発は稼働してきた。原子炉内の核廃棄物・核のゴミを掃除してきたのはおれたち日雇い・下請け労働者だ。総被曝線量の99パーセントを浴びて白血病やガンで苦しみながら死んでいったのも日雇い・下請け労働者だ。電力会社から一日7万円~10万円でていても、何重にもわたるピンハネ構造により日雇い・下請け労働者に手渡される賃金は6500円~一万数千円でしかない。これらを政府は黙認し続けてきた」「多くの反対の声を黙殺し、野田政府は大飯原発の再稼働を強行し、核武装への道を突き進んでいる。労働者の被曝や被曝死無しには一日として動かない原発は廃止すべきだ。すべての原発を廃止するまで共に闘おう。おれたちも佐久間さんのように、一生涯を通じて資本の横暴を断じて許さず闘っていく。おれたちの生きんがための闘いに敵対してくるポリ公、ヤー公、右翼ファシストどもと対決し、団結の力で打ち砕いていく。これからも吉岡さん、稲森さんの闘いと連帯して闘っていく」。
 続いて、パナソニックPDP争議当該吉岡氏より「パナソニックの大坪社長は、再稼働発言をしている。パナソニックの闘いは原発をなくす闘いと結びついている。オール電化といって原発を推進してきた。儲けるためなら労働者の命なぞどうでもよいと思っている企業だ。この問題は自分たちさえよければよいというのではなく、これから社会に出て働こうとしている若い人たちの未来がかかっている闘いだ。最近では4万5000人の仲間が結集して大飯原発の再稼働を許さないと言う大きな闘いになっている。これをより大きなものにしていくために全労交の本日のデモ行動は大切な行動だと思うので皆さんと一緒に闘いぬいていく」と力強い発言を受けた。
 最後に、ヤンマー争議当該稲森氏が発言にたつ。「闘う仲間の皆さん。私が解雇されたヤンマーと言う会社は東日本大震災で震災特需と言う形で非常に大きな黒字を計上している。前年度対比400パーセント増という大幅な黒字にも関わらず、解雇された私たちにはいまだに再雇用の話はない。これは明らかに労働組合を敵視したヤンマーの対応それ以外のものではない。今後もヤンマーに対して徹底的に闘っていく。5月17日、福井での集会の方に参加した。福井での集会で今までになかった動きとしては地元福井県民の二〇代、三〇代と言う若い人がたくさん結集され、地元の議員が『なんら安全が解明されていない大飯の再稼働である』と声を上げた事である。先輩たちが声を上げられなかった事を自分たちが変えていくんだというまた新しい力が、大飯原発の再稼働阻止という流れの中で育ちつつある。そういった中でみなさんと連帯して、すべての世の中の理不尽と闘う仲間と連帯して、このおかしな日本と言う国を変えていきたいと思う。今後も連帯して闘っていく」。
 三者の発言に大きな声と拍手が応える。
 いよいよデモ出発だ。「しーまいる」前を出発し、小浜湾沿いを上がり、宮川興業を左折して原発入口前に向かう。原発入口では「特別警備実施中」の立て札がいくつもかかった門扉が閉められ、ガードマンが対峙している。関電職員がゲートの中からこそこそと仲間達を撮影している。仲間達はゲート前に密集し、「大飯原発再稼働を許さないぞ!」「原発労働者はストライキで闘おう!」「すべての原発の廃止をかちとるぞ!」と怒りのシュプレヒコールを叩きつける。仲間達は「特別警戒」態勢をはねのけ、最後まで一丸となって闘いぬいた。

(木村)