「乾坤一擲」12月

乾坤一擲

 

 「恐慌はつねに一大新投資の出発点をなす。したがってまた―社会全体として考察されるならば―多かれ少なかれすぐ次の回転循環のための、一つの新しい物質的基礎をなす」。これは「資本論」の中のマルクスの言葉である。恐慌による価値破壊によって、はじめて次の蓄積条件が形成されるのである。飽くことなき価値増殖を目的とし動機とする資本主義が、恐慌を克服できるなぞということはありえない。恐慌を先のばしすればするほど、矛盾が蓄積し、より激烈な恐慌となって爆発するだけだ。▼世界大恐慌爆発情勢の深化の中で、帝国主義は、世界大恐慌爆発に身構えて、それ以前にプロレタリア革命勢力と「体制攪乱要因」を根絶すべく全世界で「対テロ戦争」という名の凶暴な戦争を拡大・激化させている。▼民主党主導の野田政府は、資本制生産様式に発する矛盾の一切を労働者人民に集中する一方で、「尖閣問題」をフルに活用しての反中国―反共・排外主義煽動をも駆使しながら戦争遂行体制の確立を着々と推し進めてきた。▼総選挙で、自民党と公明党が衆院の三分の二を上回る議席を獲得し、「日本維新の会」も躍進した。「政府が変っても現実は何も変わらない」と考えるのは誤りである。自民党新総裁・安倍、元東京都知事・石原、大阪市長・橋下らによる改憲―核武装の流れが一挙に強まるであろう。ファシズムへの流れが一気に加速するのである。2013年階級攻防を闘う決意を新たにしなければならない。(木村)