4・19パナソニック第二・第三労働委員会報告

4・19パナソニック第二・第三労働委員会報告

 

 4月19日、労働委員会においてパナソニックに対する、第二、第三申立事件の第5回調査が行なわれた。
 午後4時20分、争議当該・吉岡氏、組合代表と弁護士が入室し調査が開始された。公益委員からパナソニック側の回答が明らかにされる。「第一に、会社内で和解するべきかどうかについて賛否両論があった。第二にその上で早期解決の意義を受け止め和解に応じる。第三に、文言について修正を求めるとして、『別件訴訟における最高裁判決の不法行為に関する判断を真摯に受け止める』を『別件訴訟における不法行為に関する判断を含む最高裁判決を真摯に受け止める』と要望が出された。第四に組合の要望である会社関係者の出席について、当該吉岡氏、また組合関係者がホームページに掲載し情宣活動していることが、世間的に注目され、会社関係者が出席することが道具として使われるのは大きな懸念として出席はしないこと、その結果、和解が不成立になってもやむを得ないと決断した」と以上4点の回答が出されたという。吉岡氏の闘いに憎悪を露にし、「行動をやめなければ和解をしない」とする強硬な姿勢であり、他の回答にしても到底和解案とはいえない代物だ。
 公益委員はこの内容に対して、一応和解に向けた回答であり評価するとし「会社関係者が出席しないのは残念だが、これをもって和解しないのは非常に残念」とこの内容に同意を求めた。文言の「修正」については、分かりにくい会社側の「修正案」は却下し、組合側に大きな決断をと迫った。弁護士は、「最後に和解する際は然るべき人間がきちんと対応するべき、それが本筋ではないか」と中労委に訴えた。公益委員は「パナソニックはそういう会社だということです」とこともなげに言い切った。そんな会社でも和解に応じて早く争議を終わらせろと言っているのだ。吉岡氏は、「社会人としての常識の問題。本来は当事者同士の話し合いが一番いい解決。あえて中労委に委ねることもない。この和解案を出されて『はい、そうですか』とはならない。トップに出てくれと言ったわけでもない」とした。公益委員からこの和解案について検討を言い渡され、控え室に戻って検討会議が始まる。
 労働者委員は、「パナソニック側はどうしても出たくない。出て来いと言っても無理。中労委としても『そういう会社』としか受け止められず、これ以上の説得はできないと判断している。しかしせっかく和解の条件を作った。誠意の無い会社と受け止めた上でどうするか判断してほしい」とパナソニック側との和解を促した。
 吉岡氏は、「今パナソニックは7万人も首を切って、役員報酬が半分になったと言っても、5000万以上もらっているような会社。会社側の人間が和解に誰も出てこない、この事実が残るのは納得できない」「担当者が出ないなら同意はしない。常識が無さ過ぎる。人に対する侮辱だ。こんな和解に同意すれば喜ぶだけだ」。解決金も雇用も要求せず、担当者の謝罪のみを求めてきた吉岡氏にとって、その担当者すら出てこない和解に同意などできるはずもない。
 5時過ぎ、パナソニック代理人も交えて和解案に対する最終の回答が出された。パナソニック側の担当者が出席しない、という事で和解は不成立となったことが公益委員から正式に明らかにされた。公益委員は今後、証人尋問を行なって命令が出されるとした。次回は審問期日として、組合からの証人申請3人のうち2人のみ採用とし、主尋問をそれぞれ30分、反対尋問をそれぞれ30分。そして陳述書の提出期日を決め、次回期日は公益委員の都合により、8月となるため、第6回調査期日は8月29日午後1時30分開始、審問であること、そしてこれをもって結審とすることを決定し調査を終えていった。
〈神奈川県地域連合労働組合〉