12・18 ヤンマー争議中労委「第1回調査」

12・18ヤンマー争議中労委「第1回調査」

 

 ヤンマー争議当該、びわ湖ユニオン書記長・稲森秀司氏が再雇用を求めた中央労働委員会「不当労働行為救済申立」の「第1回調査」が12月18日に開始された。滋賀県労働委員会において稲森氏は、ヤンマーが団交で、「企業には裁量権がある」と稲森氏の再雇用を拒否したことは組合活動家を排除する不当労働行為であること、人材派遣会社「クローバー」の募集に応募した際、ヤンマーから履歴書の提出を求められ、「クローバー」の面接結果は合格だったにも関わらず、ヤンマーの夏季休暇が終わった日に不合格通知を送ってきたことは、「労働者派遣法」で禁止された「労働者特定行為」であること、として「救済」を申し立てていた。滋賀県労働委員会は、この「申立」について「びわ湖ユニオンはヤンマーの社内における組合ではなく、ヤンマーに請求する権利はない」とするまったくデタラメな不当決定を打ち下ろした。稲森氏はこの不当決定を受け、今回闘いの場を中央労働委員会に移し、新たな闘いを開始した。
 午前10時過ぎ、「調査」が開始される。山川公益委員は、組合側と会社側に、それぞれ提出されている「申立書」、「補充書」、「答弁書」などの確認したあと、組合側の救釈明の確認として今回の申立内容の範囲が「雇い止め」以降としている点について質問を行なった。組合側弁護士からは、2010年11月の初審命令が、ヤンマーの「特段の事情」の枠組みのなかで「雇い止め」され事実認定されているが、事実誤認であることを説明。「雇い止め」以前については追加で補充書を提出するとした。
 まず最初に組合側の「調査」がはじまる。組合側に2010年11月の初審命令以降の団体交渉の有無などの質問がなされた。そして、山川公益委員から派遣会社「クローバー」が「ヤンマーと関係がある派遣会社か」との質問に対して稲森氏は、「関係があるわけではない、他の派遣会社もヤンマーに派遣している」としながらも「8月3日の募集に応募したのが8月11日。募集内容があきらかにヤンマーだった。就労していた時と同じ勤務形態だった。『クローバー』からは仮にヤンマーがだめでも、他を紹介できるといわれていた。最終的にヤンマーがきめるのでヤンマーの夏季休暇後、8月20日以降との返事だった」。弁護士は、「面接できめたといっているが、履歴書を送ってヤンマーが決定したという経過が明らか」とした。そして、長浜市が「ヤンマー城下町」状態で、役所がヤンマーに対して年間300万円もの融資をしていること、びわ湖ユニオンが、活発な組合運動を行なっていることがヤンマーに嫌悪されたことなどを次々と明らかにしていく。
 会社側の「調査」が終了し、再度「調査」が再開された。公益委員から、「雇い止め以降の救済申し立て対象事実を時系列で整理してほしい」との意見がだされ、「その段階で立証を検討していただきたい。また和解の検討の余地が出てくる可能性もある。労働委員会として事案の真相をもう少し知りたい」と争議解決に向けた積極的な姿勢が示された。最後に次回期日を決定し「第1回調査」が終了した。
 控え室の集約の場で稲森氏は、「滋賀の地労委があまりにもお粗末な決定で、本当に労働者を救済する気がないような感じだった。中労委の対応は普通の対応だと思うが、滋賀の地労委があまりにも非常識だったので、非常に良心的に感じた。また次回もよろしくご支援お願いします」と今後の闘いに向けた支援を訴え、「ヤンマー争議救済申立第1回調査」の行動を終えていった。
〈神奈川県地域連合労働組合〉