12・6 サントリー・SPS争議第4回団体交渉

12・6サントリー・SPS第4回団体交渉

 

 12月6日午後7時より、星陵会館においてサントリー・SPS(サントリーパブリシティサービス株式会社)と神奈川県地域連合労働組合の第四回目の団体交渉が行なわれた。2013年12月31日をもって「雇い止め」との通告を出しているサントリー・SPSに対し、組合側は何としても撤回をかちとるべくサントリー・SPSとの第4回団交に臨んだ。
 川村委員長が、「就業規則の『暴力団・暴力団員その他これに順ずる者等』、サントリー企業倫理綱領の『市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力・団体』との『一切のかかわりを持たない』ことに違反しているから『雇い止め』だとされている。ならば、この『市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力・団体』とはどんな団体を指していっているのか。サントリーの見解はどうなのかを明らかにしてほしい」と追及する。さらに川村委員長は、「今問題視されている『食品偽装問題』では、サントリー系列の別会社でも偽装があったが、それについては『市民生活に不安と脅威を与えている団体』ではないのか」と質問する。専務取締役の宇野は、「その件は今回の団体交渉と関係がない」と回答拒否の姿勢にでた。川村委員長は、「まさにこの『市民社会の秩序や安全に脅威を与える団体』=『反社会的勢力・団体』とのサントリー企業倫理綱領に沿って『雇い止め』されようとしているのだ。関係がないはずがない。サントリーが何を根拠に『市民生活に脅威を与えている』と定めているのかを聞いているのであって、関係があるから聞いている」「根拠について共通認識を求めているのだから応えるべきだ」と追及する。川村委員長は、「わかりやすく例を挙げて話をしているだけです。例えば、原発事故の東京電力はどうですか。沖縄のオスプレイを飛ばしている米軍基地はどうですか。『市民社会の秩序や安全に脅威を与えている』と企業倫理綱領に書いてある。それが『反社会的勢力・団体』だと言っている。だからサントリーの見解を聞いているんです」と宇野に迫った。宇野は、「就業規則や企業倫理綱領が間違っていると言っているんですか」とまた論点移動をしようとする。しかし組合側からは、「川村さんの社会的信用が失われるような問題なんですよ」「どうして企業倫理綱領にこの文言が入ったのか。暴対法を意識してではないのか」と追い詰めていく。労働運動に取り組んでいればいろいろな集会やデモに参加することは当たり前の話である。それをもって「反社会的勢力・団体」と判断されれば組合は何も取り組めない。それこそサントリ―労組のような「御用組合」なら何もしないだろうが。組合側から、「今この近く国会前では『特定秘密保護法』に反対の市民団体や組合が集会やデモを行なっている。これを『反社会的勢力・団体』だと規定するなら自民党幹事長・石破が言い放った『テロ』発言と同じだ」と非難の声が上がる。宇野は、「そうは思わない」と逃げに入る。組合側からは、「労働運動をやっている人間ならサントリーが『雇い止め』の理由にしている『反社会的勢力・団体』の規定をおかしいとすぐにわかる。宇野さんは社会性がない。“レッド・パージ”さえ知らない。もっと話ができる人と代わったほうがいいのではないか」と意見が飛ぶ。宇野は、「わたしでだめなら話ができない」と開き直ることしかできない始末だ。子供のけんかじゃないのだ。組合側はさらに、「『市民社会の秩序や安全に脅威を与える』=『反社会的勢力・団体』とはどんな団体を指しているのか」とサントリーを追及していく。宇野は、「交渉と関係ない。今は契約について話をしている」と逃げ回るが、川村委員長は、追及の手を緩めることなく追い詰めていく。宇野は、「お答えできません!」と叫び声をあげる。川村委員長は、「応えられない理由で私を『雇い止め』にするんですか!」と怒りを爆発させた。
 組合の追及に根をあげた宇野は、「今応えられないなら、いつなら応えられるのか」との質問に、「団体交渉申入れをしてほしい」と哀願する。組合側は、今年中に団交を行なうように要求。宇野は「年が明けても、契約満了を理由に団体交渉を拒否することはしません」と言う。しかし、年が明ければ立場が変わるのである。期間満了後に団交拒否しないと言っても、話しの中身がまったく違ってくるのだ。年内の団交を強く要求した。これで今回の団体交渉は終わりというときになって宇野は、「川村さん、退職手続きの書類を送ったので見ておいてください」と言い放った。席を立とうとしていた組合側から信じられないとの批判が飛ぶ。「何のために団体交渉をしていると思っているのか。職場に戻せという話をしているのに、あまりにも非常識。失礼だ」「団交は事務手続きじゃないよ。事務手続きは別の話だ。今する話じゃない」と、あまりに非常識な宇野の発言に組合側は開いた口が塞がらず、失笑すら漏れる。団体交渉の場で「退職手続き」の話を持ち出すサントリー・SPS。この程度の社会性も常識もない人間が専務取締役なのだ。「会社が決めた」なぞ、根拠もないことを抜けぬけと言い放つ専務取締役・宇野とサントリー資本に対して、何としても不当な「雇い止め」の撤回をかちとっていかなければならない。
〈神奈川県地域連合労働組合〉