2・15鈴木国男氏虐殺38ヵ年糾弾上映集会

2・15鈴木国男氏虐殺38ヵ年糾弾上映集会 
                     反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会

 

釜ヶ崎・西成市民館で集会

 

 2月15日、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、「鈴木国男氏虐殺38ヵ年糾弾! 2・15上映集会」を大阪・釜ヶ崎の西成市民館で開催し、成功をかちとった。
 午後1時、「釜ヶ崎労働者の会」の仲間が開会を宣言する。「今から38年前の1976年2月16日に、『暴力手配師追放釜ヶ崎共闘会議(釜共闘)』で闘い、全国『精神病』者集団で闘いぬいていたデカパンこと鈴木国男氏が大阪拘置所で保護房に叩き込まれ体温を下げる注射を打たれ、虐殺された。デカパンを虐殺した国家権力―大阪拘置所への怒りを決して忘れず、38ヵ年糾弾の集会の成功をかちとろう」と、開会を宣言する。
 集会のはじめに、全国「障害者」解放運動共闘会議(全『障』共)・事務局長の西山和行氏から連帯あいさつをうけていく。西山氏は、「昨年12月22日、全『障』共結成をかちとった。全『障』共に組織加盟している『釜ヶ崎労働者の会』のみなさんとともに、差別糾弾闘争の前進をかちとっていく」「自民党は今通常国会で『尊厳死』法案を提出しようとしている。これは『障害者』を価値なき命として選別し抹殺していこうというものだ。これを許してはならない」と訴え、最後に「4月1日の『障害者総合支援法』粉砕闘争に結集しよう」と発言して連帯あいさつをしめくくった。
 「釜ヶ崎労働者の会」の仲間からの基調が提起される。基調では、1976年冬に鈴木国男氏が「傷害」で逮捕され、大阪拘置所で虐殺された事実にふれながら、「デカパンの虐殺は、国家権力の暴力装置である監獄内での虐殺であり、寄せ場労働者解放・『精神病者』解放の戦士であったデカパンに対する、徹底した『精神病者』差別による目的意識的虐殺であった」「当時、寄せ場労働運動内部でデカパンを孤立させ排除・追放するなかで彼の『病状』を悪化させ、国家権力の差別による虐殺を許してしまった。それは、寄せ場労働運動内部で『精神病者』に対する差別があったから」と、自分たちの闘いの中味の問題、団結の中味の問題が鋭く問われているのだということが鮮明に提起された。そして、デカパンの虐殺は決して「過去の問題」なのではなく、今日の「心神喪失者等医療観察法」施行強行による「精神病者」の保安処分施設への隔離など、「精神病者」差別―抹殺攻撃はますます強化されており、「精神病者」解放闘争の前進を差別糾弾闘争のなかからかちとっていかなければならないこと、そしてなによりも「寄せ場労働者の闘い、『精神病者』解放の闘いを強化する上で、デカパン虐殺糾弾の闘いがぜひとも必要である」という集会基調が参加者全体の圧倒的な拍手で確認された。

 

「大久保製壜闘争の記録」を上映

 

 基調提起に続いて、ドキュメンタリー映画『人間を取り戻せ! ―大久保製壜闘争の記録』が上映された。これは1994年に「全国一般東京東部労組」が制作したドキュメンタリー映画『大久保製壜闘争の記録』をもとに、追加取材映像を加えて2009年にリメイクされたものである。東京・墨田にある大久保製壜資本は、1970年代に「身体障害者」や「知的障害者」を半数以上雇い入れ、国や行政から多額の助成金を得ていた。大久保製壜は「福祉モデル工場」という名前とは裏腹に、実際には「障害者」への差別賃金、職制による暴言・暴行が横行していた。1975年、大久保製壜の「障害者」労働者はついに怒りを爆発させ闘いに起ちあがった。「障害者」と「健常者」は固く団結し労働組合を結成し、大久保製壜資本の執拗な組合つぶし攻撃を、当該の固い団結と地域の労働者人民との共同闘争で粉砕し、22年にわたる争議に勝利した。大久保製壜闘争は、労働組合運動にとって問われる団結の質において、労働者への一切の差別は絶対に許さないという原則を貫いた争議だ。参加した労働者は、迫力のある闘いの映像に熱心に見入っていた。

 上映後、参加者から「映画のなかでの会社との団交の場面で、労働組合は差別を許さないんだと発言しているところがある。同じ職場、同じ現場で一緒に仕事をしている仲間を差別することは絶対に許さないという闘いが労働組合にとって必要なのではないか。一緒に仕事をするなかから団結がつくられていくと思う」という発言があり、また「4月から消費税が上がる。国はワシらからどれだけ金をとればすむんや」、「大阪府は5億円かけて西成区の防犯対策をやるといっている。5億円のうち、1億2000万円で釜ヶ崎の監視カメラを13台から45台に増やそうとしている。そんな金があるんだったら、もっと特掃の仕事を増やせるはずだ」などなど様々な話題が出る。
 集会の締めくくりとして「釜ヶ崎労働者の会」の仲間より、「全『障』共に『釜ヶ崎労働者の会』は組織参加している。デカパン虐殺糾弾の闘いから、釜ヶ崎での『障害者』解放、『精神病者』解放の闘いの前進をかちとっていこう」「2014年寄せ場春闘を闘おう」とまとめの発言があり、最後に参加者全員で「『障害者』解放をかちとるぞ!」「『精神病者』解放をかちとるぞ!」「寄せ場春闘の勝利をかちとるぞ!」とシュプレヒコールをあげ、「団結ガンバロー!」で集会を終了した。