6・2 教育委員会制度解体阻止! 国会前行動

6・2 教育委員会制度解体阻止! 国会前行動

 

 6月2日、午後4時から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」による国会前行動が取り組まれた。「包囲ネット」の仲間たちは、「地方教育行政法」改悪案を審議中の参院に対して、まず「教育委員会制度解体阻止!」「教育の国家支配を許さないぞ!」と力強いシュプレヒコールをあげる。

 「包囲ネット」のA氏が、アピールを行なう。A氏は、「安倍内閣は現在の教育委員会制度そのものが機能しなくなるような改悪を行なおうとしている。教育の自主性を奪って、政府・文科省による中央支配、上意下達の教育行政に変えてしまおうとしている。私たちは、都教育委員会に対してこの間、本来の教育委員会の姿に戻るよう要求を続けてきたが、今回の改悪によって教育現場への不当な介入がいっそう強まっていく。絶対に阻止していこう」と訴えた。

 次に、「君が代」不起立処分を受けたF氏がリレートークを行なう。F氏は、「1976年から30年間、都立高校で教えてきた。そのうち19年間、クラス担任を勤めてきた。太平洋戦争の敗戦後、再出発したはずの日本が再び戦争の道を歩もうとしている。なぜこうなったのか。それは戦前の教育への反省をちゃんとしなかった結果だ。戦争体験者が減って戦争を知らない世代が増えて、記憶の風化を利用して歴史の改ざんが進められようとしている」「道徳教育を主張する人たちは、教育勅語を信奉する人が多い。教育勅語の核心は天皇に命を捧げよということだ。『国のために、天皇のために戦争で人を殺してこい』という世の中に再びしていってはいけない」。

 続いて、現役の教員である「包囲ネット」のH氏が発言した。H氏は、「安倍政権が狙う教育改革に対して、国会前で多くの人々の怒りと抗議の声が地響きのように鳴り響いていなければならないはず。しかし残念ながらそうとはなっていない。教育委員会制度をなくして、生徒、子供たちに国の方針を押しつけていく教育が始まろうとしている。子供たちが自分たちの未来を自分たちで考え、育んでいくことを奪い、結局、市民の自由をなくしていく国家・社会にしてしまっていいのか。与党とくに公明党の議員にはよく考えてもらいたい」と訴えた。

 東京・山谷日雇労働組合の仲間は、「アベノミクスで公共工事が復活したが、長年アブレを押しつけられてきた日雇い労働者たちは相変わらず仕事が皆無で野宿を強制されている」「労働者の闘いを破壊していくために右翼・ヤクザが襲いかかってきた。ヤクザの暴力支配に対決することで日雇い労働者の権利をまもっていかなければならない」「『日の丸』『君が代』強制に反対する教育労働者と連帯し安倍の戦争国家づくりのための教育改革を止めていこう」と訴えた。

 リレートークの最後に、「包囲ネット」のK氏が、「今、国会では『集団的自衛権の行使』容認をめぐっての論議が進行しているが、安倍政府は中国・韓国との国際関係をわざわざ悪化させて武力で対抗していく道に私たちを巻き込もうとしている。教科書の記述にも介入して、『尖閣・竹島は日本の固有の領土』という政府見解を教育現場に押しつけてきている。このことによっていっそう緊張を高めようとしている。戦後、日本の国家・社会は武力に頼ることなく進んできたが、これを根本から変えようとしている安倍の教育政策を許してはいけない」とアピールした。

 この日の行動の締めくくりに、A氏が次週の国会前行動を提起し、「包囲ネット」のN氏のリードで国会へのシュプレヒコールをたたきつけた。

                           <東京・山谷日雇労働組合>