乾坤一擲

乾坤一擲 

けんこんいってき


 衆院選で「圧勝」した安倍は、「アベノミクスを推進することが承認された」なぞと言って、「第三の矢」である「成長戦略」をゴリ押ししようとしている。資本の絶対的過剰に行き着いている資本主義経済に「成長」の余地なぞ有りはしない。故に、安倍が「成長戦略」の名の下に進めようとするものは、法人税減税などの大資本の延命のための優遇策と、労働者階級から血の一滴まで絞り取るような極限的な搾取の強化だ。▼安倍が「政労使会議」での「賃上げ」キャンペーンの裏でゴリ押ししようとしているのが、「成長戦略」の中心に位置付ける「労働規制の緩和」攻撃だ。労働者保護法制を「岩盤規制」なぞと言って「成長を阻害するもの」と描き、これを「成長戦略のドリルで崩す」なぞと息巻いている。▼「労働規制の緩和」に向けた動きが速度を増している。資本に無制限の派遣労働の利用を可能とさせ、労働者に「九割非正規化」―「生涯派遣化」を強いる「労働者派遣法」改悪案は1月下旬開会の通常国会冒頭に再上程が狙われ、「残業代ゼロ化」に向けた「労働基準法」改悪案も「連合」の賛同によって2月中の上程が策動されている。「国家戦略特区」を突破口にした「解雇自由化」法案も早晩、労働政策審議会の俎上に乗せられようとしている。▼「アベノミクス」によって17ヵ月連続の実質賃金の減少を強いられ、ついに2000万人を超えた「非正規雇用」を強いられている労働者の怒りを組織し切り、「成長戦略」を粉砕して資本主義の命脈を断つ闘いの先頭に全労交が起たねばならない。(木村)