3・29「春闘・討論会」を開催(沖日労)

3・29

「春闘・討論会」を開催


沖縄・首里日雇労働組合


 3月29日、沖縄・首里日雇労働組合は、「春闘・討論会」を開催した。首里の寄せ場の仲間を中心に、辺野古現地に決起し闘いぬいてきた仲間たちが集まった。「春闘・討論会」は、「報告・討論会」と「交流会」の二部構成で行なわれた。

 一部の「報告・討論会」では、はじめに、「全国寄せ場交流会」の厚生労働省と日本建設業連合会への「春闘要求(申し入れ)」をめぐって討論が行われた。「労働規制緩和」をめぐっては、〝生涯派遣〟を強いる「労働者派遣法」改悪や「残業代ゼロ制度」導入の「労働基準法」改悪が今国会で狙われていることが報告される。「貧困ビジネス」をめぐっては、某団体が運営する宿泊所を出た仲間より「生活保護の大半を取られ生活できない。食事もどんどん不味くなった」「代表者を追及したら何も言えなくなった」「何人も施設内で亡くなっている」と赤裸々な報告を受ける。また他の仲間からは、「人ひとりが寝られるぐらいの狭さに区切られた部屋に押し込められたことがある」と実態が語られる。「除染・建設業の違法派遣」をめぐっては、組合が「実際に声をかけてきた派遣業者がある。業者は『安全』『高賃金』ばかり言う。だが原発労働では『危険手当』すらピンハネされる実態がある」と報告する。仲間たちも原発労働への関心を示し、討論が深まっていく。

 つづいて、各寄せ場の闘いの報告が行なわれる。福岡・築港労働組合に関して、毎週木曜の福岡市役所前の取り組みが紹介され、「要望書」が読み上げられる。「野宿の仲間の生活用具である荷物が何者かによって放火され燃やされた」「中・高生の手によって(時には小学生も混じって)、テント小屋に石や爆竹が投げ込まれるなどの事件がくり返し起こっている」「東京や大阪などで引き起こされているような、野宿の労働者への襲撃・殺害へとエスカレートしかねない非常に危険な事態である」。組合は、「沖縄でこういう事態は発生していないか。あれば報告して欲しい」と呼びかける。沖縄では目立った排斥の動きは確認できていないが、仲間たちを孤立させない闘いが必要であることは言うまでもない。次に、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の大阪府への「要求書」が読み上げられる。組合は、「西成特区構想」について簡単に説明し、「詳細については今後ビラで明らかにしたい」とまとめる。東京・山谷日雇労働組合から寄せられた「春闘要求書」も読み上げられる。「山谷労働者の7割が、月2回~3回程度の日雇い仕事しかなく、月収は2万円以下でしかないのだ」という状況に一同が真剣な表情に変わる。例年、4月に入ると首里の寄せ場も仕事がパタリと切れるため、仲間も気が気ではないのだ。この頃は寄せ場に上がってくる労働者もめっきり減ってしまい、心配事は尽きない。最後に組合は、この間の活動報告と4月以降の闘いを簡潔に提起する。「生活相談もいくつか舞い込んでいる。困った時は助け合えるような態勢をつくりたい」「毎週土曜に与儀公園でビラ撒きをしている。首里の寄せ場でも情宣を続けている。困っている仲間がいたら、いつでも組合に相談するよう呼びかけて欲しい」「辺野古は、今年が大きな山場だ。安倍政府は、われわれの声を踏みにじって、埋め立て工事着工を強行しようとしている。許せない。組合は、仲間たちが辺野古にかけつけられるような態勢をとっていく」「4・28闘争に全力で起ち上がろう」との提起を受けると、仲間たちから「協力するよ。がんばろう」と声が上がった。

 二部は、「交流会」だ。仲間が朝から準備した食事もふるまわれる。初めて組合活動に参加した仲間も自己紹介し、すぐに輪が広がる。娯楽映画が上映され、話題も尽きない。ある仲間は「俺もいい年だ。若い世代に沖縄戦の体験も伝えていきたい」と切々と語る。盛況のうちに「交流会」を終え、「春闘・討論会」は終了した。