集会と天神デモで日雇いメーデーを闘う(福日労)

福岡市に「仕事よこせ」の要求書を突きつける福日労の部隊
福岡市に「仕事よこせ」の要求書を突きつける福日労の部隊

集会と天神デモで日雇いメーデーを闘う


福岡・築港日雇労働組合


須崎公園で決起集会


 会場の須崎公園には、集合時刻前から、「仕事よこせ」の対市役所木曜行動を取り組んできた顔なじみの仲間たちが多く集まっている。毎朝早くから仕事を求めて築港の寄せ場に立っている仲間たちも来ている。生活保護の支給日とあって参加できない仲間も多いが、午前中に受給の手続きや家賃などの支払いを済ませて駆けつけた仲間たちの顔も多く見える。もちろん、野宿生活を続けているたくさんの仲間たちもやって来ている。こうした野宿の仲間の中には、デモにだけは必ず来る仲間なども参加している。正午には、60人を超える労働者が集まった。

 福岡市による生活保護の支給要件の緩和などにより、野宿をする仲間たちは大きく減った。しかし、失業と貧困の強制に歯を食いしばり、怒りを燃やしてがんばりぬいている仲間たちがたくさん集まっている。その熱気で会場全体が満たされる。

 「働いて暮らしたい」、「体が動くうちは仕事がしたい」というのが、日雇い・野宿の労働者の圧倒的多数の声だ。「生活保護より仕事がほしい」というのが、日雇い・野宿の労働者の当たり前の要求だ。

 労働者たちが、カレーライスで腹ごしらえを済ませ、音楽堂ステージ前に着席する。12時半、集会の開会が宣言される。「日雇いメーデーを闘うぞ」、「俺たちに仕事をよこせ」、「世界の労働者と連帯して闘うぞ」、「失業と戦争を押しつける安倍政府を打倒するぞ」と、全員が元気よくシュプレヒコールをあげる。 


熱い連帯のメッセージと基調提起


 まずは、寄せられたメッセージの代読だ。東京・山谷日雇労働組合からは、「4月に入って、玉姫職安の民間求人がゼロという絶望的なアブレが、仲間たちを襲っている。安倍政府・厚生労働省は、資本家のための労働法制改悪を押しつけようとしている。沖縄の米軍基地建設、原発の再稼働を進めて、戦争のための『安保法制』作りに突撃している。労働者が闘わなければ生存すること自体が危うい時代に立たされている。『反戦・仕事よこせ』の闘いの前進のため、ともに闘いぬこう」というメッセージ。

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「今春闘で俺たちは、国―大阪労働局、大阪府、大阪市に『仕事を出せ!』と要求してきた。大阪市長・橋下の進める『センターの縮小・移転』は、寄せ場解体攻撃だ。絶対に許さない。アブレと貧困を押しつけ、朝鮮反革命戦争へと突撃する安倍政府を打ち倒そう」というメッセージが届けられた。

 沖縄・首里日雇労働組合のメッセージは、「沖縄防衛局は、海上保安庁や機動隊の暴力を使ってわれわれの抵抗を抑え込み、名護新基地建設に向けた海上工事を強行している。沖縄は小さな島だが、『戦争を絶対にさせない』、『戦争のための基地も軍隊もいらない』、『新たな基地建設は絶対阻止する』という実践は、戦争を賛美し戦争を待望する安倍政府を打倒する大きな力になると確信している。 〝安倍政府ごときを倒せずに世の中を変えられるか〟という気概で大胆に決起しよう」と訴えた。

 参加者は、大きな拍手をもって、全国の寄せ場での日雇いメーデーと連帯して闘う決意をうち固めた。


福日労が基調提起


 福日労委員長から基調が提起される。基調は、圧倒的な拍手で確認された。

 続いて、福日労からの決意表明だ。

 「安倍政府の暴走が止まらない。朝鮮反革命戦争に向かってまっしぐらだ。失業と野宿の押しつけも強まっている。こんなことに負けるわけにはいかない。『一人はみんなのために、みんなは一人のために』を合言葉に、力を合わせて闘いぬこう」「デモで、要求書で、みんなの声を直接福岡市にぶつけよう。天神のど真ん中に、『反戦・仕事よこせ』の声を響かせよう」という発言に、「ようし」、「いいぞー」という声と圧倒的な拍手が応えた。


福岡市役所へ戦闘的デモ


 集会の最後に、福岡市に対する要求書案が参加者に提案される。要求書案は、「この3月にも、野宿の仲間が死亡し、また、生活保護の仲間が『孤独死』を強いられているのが発見されている。福岡市は、日雇い・野宿の労働者の窮状をいつまで放置し続けるのか。『体が動くうちは働いて暮らしたい』という日雇い・野宿の労働者の願いをいつまで無視し続けるのか。生活保護一辺倒の施策では解決できない問題がいくらでもあること、とりわけ就労対策が不可欠であることは、われわれがすでに何度も指摘してきた通りである」「福岡市がなすべきは、日雇い・野宿の労働者が野宿をせずに働いて暮らしていけるようにすることだ。福岡市は、国や県との協力・連携のもと、日雇い・野宿の労働者のための公的就労対策事業にただちに着手すべきである」として、第1に、「東京都が山谷で行なっている『特別就労事業』のような、公的就労対策事業を行なうこと」、第2に、「その際、日雇い・野宿の労働者の生活実態に合わせて、①築港を集合場所とすること、②輪番制の実施、③賃金の日払い、④作業現場への送り迎え、⑤日雇い雇用保険の適用と被保険者手帳の作成を行なうこと」、第3に、「以上の内容について、早急にわれわれとの話し合いの場を設けること」を求めるという内容だ。要求書は、全体の圧倒的な拍手で確認された。司会の仲間が、「今日のデモの最後に、これを市役所に突きつけよう」と提起した。

 シュプレヒコールで集会をしめくくり、いよいよデモに出発だ。デモの解散地点は、市役所前だ。デモ隊は、市役所の玄関前に陣取り、要求書を、対応に出た役人を前にして読み上げる。読み上げた福日労の仲間が返答を求めたが、それに答えることもできずに、役人はそそくさと市庁舎内に逃げ去った。

 天神中央公園に移動した部隊は、全体で闘いの貫徹を確認し、副委員長の音頭で「団結ガンバロー」を行なってデモを終えた。