9・28 「再発防止研修」抗議闘争

 
  思想転向攻撃=「再発防止研修」抗議闘争(9月28日)

9・28「再発防止研修」抗議闘争

 

 9月28日、東京都教育委員会(都教委)による「君が代」不起立を闘う教育労働者への思想転向攻撃である「再発防止研修」に対する抗議闘争が闘われた。

 当該の田中聡史氏は、石神井特別支援学校の2015年度入学式で、「君が代」不起立を闘った。田中氏の不起立決起はこれで9回目だ。これに対して都教委は、「減給10分の1、1ヵ月」という不当な減給処分を下した。さらに、「研修」の名の下に、思想転向をせまる「再発防止研修」や「所属校研修」、都教委の指導主事が1ヵ月に1回田中氏の勤務校に押しかける「所属校訪問」を執拗に繰り返している。

 午前8時20分、東京都教職員研修センター(水道橋)前で、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」が呼びかけた「再発防止研修」抗議・該当者支援行動が開始される。この日の行動には60人近くの支援者が結集。

 行動の冒頭、「被処分者の会」の共同代表の岩木氏の音頭でシュプレヒコールをあげる。

 弁護団の澤藤弁護士が、「申し入れ」を行なう。つづいて、「被処分者の会」、「『日の丸・君が代』問題等全国ネットワーク(ひのきみ全国ネット)」、「都教委包囲・首都圏ネット」、「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」、「練馬教育問題交流会」からの抗議・要請文が読み上げられ、研修センターの総務課長に手渡される。 

 午前9時前、当該の田中氏が集会を行なっている研修センター前に到着し、支援者全体が田中氏を拍手とシュプレヒコールで送り出す。

 田中氏の送り出しの後も集会が続行される。集会では、第3次東京「君が代」訴訟の原告、第4次東京「君が代」訴訟の原告が裁判の報告、「再発防止研修」の実態を暴露する発言を行ない、「君が代」裁判を傍聴した司法修習生が最高裁判決にも従わない都教委を批判した。東京・山谷日雇労働組合の仲間も、「みなさんと一緒に取り組んでいる台東区の浅草高校での卒・入学式でのビラまきなど、地域での『日の丸』『君が代』強制に反撃する闘いを今後も続けて行きたい」「田中先生の思想・信条に対する処分は、国会で『戦争法』を成立させる時に『国民が理解していなくてもいい。時間が来たから採決するんだ』というやり方と共通したものだ」『戦争法』成立によって、現場での闘いがますます重要になってくる。議会の中での取り組みに切り縮めることなく闘っていくことが大事だ」と発言した。そして、午前10時45分に再結集することを確認して抗議集会は一旦閉じられた。

 午前10時45分、再び研修センター前にて抗議集会が再開される。「被処分者の会」の星野共同代表が、「『10・23通達』が憲法を否定し、『いつか来た道』につながると私たちは批判してきたが、そのことがますますハッキリしてきている」「東京都では『作る会』の侵略戦争賛美の教科書が密室審議によって中・高一貫校、特別支援学校で採択されている」と、戦争に向けた教育統制の攻撃が強まっていることを批判する。 

 田中さんを激励するシュプレヒコールにつづいて、再び星野共同代表が、『君が代』裁判では、当該の女性のトイレまでついて行って取り囲み、脅すことまでやっていることが判明している。これは、かつて思想転向を強要した特高警察のやり方とまったく同じだ。治安維持法の時の憲兵と何ら変わらない」と批判する。

 午前11時になり、田中さんが「研修」を終え出てくる。田中さんは、「研修」の様子を説明し、「『研修報告書』を書かされたが、都教委が同意を求めた内容にはすべて拒否回答し、同じ内容の繰り返しの『研修』はやめるべきだと言ってきた」と報告する。

 最後に、全体でシュプレヒコールをあげ、当日の行動は締めくくられた。

                                          〈東京都地域連合労働組合〉