12・31~1・2沖縄越年闘争を盛大にやりぬく

沖日労が与儀公園で行なった炊き出しには多くの労働者が結集した
沖日労が与儀公園で行なった炊き出しには多くの労働者が結集した

12・31~1・2

2015―2016年越年闘争を盛大にやりぬく

 

沖縄・首里日雇労働組合

 

11月半ばから越年闘争準備を開始

 

 12月31日から1月2日にかけて、沖縄・首里日雇労働組合は、那覇市内の公園や商店街での炊き出しを中心にした越年闘争をやりぬいた。

 2015―2016年越年闘争の準備は、11月半ばから始められた。沖日労は、活発な討論を何度も積み重ね、昨年までの越年闘争の反省を再確認しつつ、これまでを質量ともに超える取り組みを行なうことを全員で意思一致し、12月に入ると日雇い・野宿の労働者に越年闘争への結集を呼びかけるビラまきを開始したのだ。首里の寄せ場にとどまらず、市内の公園などで、参加と協力の呼びかけを大胆に行なった。

 この越年闘争への資金・物資の支援を呼びかける街頭カンパ活動にも、活発に取り組んだ。首里の寄せ場の現状、沖縄で拡大する深刻な貧困の問題を提起して、野宿生活を送る日雇い労働者、さらに「非正規雇用」労働の末に首を切られ、住む場所すら奪われて野宿生活を送る労働者への支援を熱烈に呼びかけた。

 沖縄の「ワーキング・プア」(働く貧困層)の割合は、25・9パーセントで、全国平均(9・7パーセント)を大幅に上回っている。「非正規雇用率」は44・5パーセントで、自治体によっては職員の約7割が「非正規」労働者で占められている所まである。子供の「貧困率」は37・5パーセントで、全国平均の2・7倍である。大人だけの世帯も含む「貧困率」も34・8パーセントで、全国平均の2倍強となっている。実に、沖縄の3世帯に1世帯が貧困に喘いでいるのだ。いずれの数値も、ダントツで全国ワーストとなっている。沖縄労働者人民は、今まさに、基地問題と並んで極度の貧困に苦しんでいるのである。基地依存型経済が長く続いた沖縄は、今も安保と基地によって産業構造が歪められ、雇用の場が限られており、加えて世界的な長期不況と「アベノミクス」という名の産業再編合理化が、「貧困率」を更に高める結果となっている。

 越年闘争には、例年を上回るカンパが寄せられ、とりわけ衣類や毛布のカンパが多く寄せられた。労働者・市民の野宿生活を送る同胞への思いを感じる。われわれ沖日労こそが、そういった同胞に寄り添い、餓死・病死―野垂れ死にの攻撃をはね返し、「生きてやり返す」闘いの先頭に起っていかねばならない。そういった熱い思いで、三日間の越年闘争に突入したのである。

 炊き出しは、昼は与儀公園、夜は平和通りで行われた。

 12月31日昼の与儀公園では、ハンドマイクとビラで呼びかけが行なわれた。集まった仲間たちを前に、沖日労が「一人の野垂れ死にも許さないために、三日間の越年闘争をやりぬこう。衣類の配布もやる。労働相談、生活相談もやる。遠慮なく相談してくれ。力を合わせて生きぬこう」と提起する。

 

炊き出し、人パトをやりぬく

 

 続いて、全国の寄せ場からの連帯メッセージが読み上げられる。「俺たち日雇い労働者は、資本家や警察、資本家たちの政治をやっている連中によって数多く殺されてきた。失業と野宿、野たれ死にがなくなるまで俺たちの怒りと闘いは終わらない。越年・越冬闘争で日雇い・野宿の団結を強め、2016年の闘いに打って出よう」(東京・山谷日雇労働組合)、「一人の野たれ死にも許さないために、越年闘争を頑張ろう。アブレ(失業)と戦争を押しつけるだけの政府をのさばらせていては、生きていくことはできない。いよいよ安倍政府打倒の闘いの正念場だ」(福岡・築港日雇労働組合)、「釜ヶ崎では、一年を通してアブレが続いている。とりわけ今年は、昨年以上のすさまじいアブレ状況だった。団結し、アオカンの仲間の命を守りぬこう」(「反戦・反失業を闘う釜ケ崎労働者の会」)。熱い連帯のメッセージに、共感の拍手が沸き起こる。

 その後、配食が開始された。弁当、さんぴん茶(沖縄風ジャスミン茶)、菓子などが次々に配られる。冷え込んでいるので、使い捨てカイロや風邪薬、胃腸薬なども配られる。衣類や毛布類も、これまでにはないカンパのおかげで豊富に配られた。「ビラを街頭でもらってカンパに来ました」と、年配の女性が石鹸を持ってきてくれるなど、取り組みは初日から大盛況だった。

 1月1日の昼は、元旦でもあり、弁当、さんぴん茶に加えて、みかん、酒、菓子類も配られるなど、例年にない新鮮な年頭の配食となった。最終日の2日昼には、弁当、さんぴん茶に菓子類。この日も、「街頭でビラを見ました」という男性が衣類を持って来てくれたり、女性が5キロの米を持って来てくれたりという一幕もあった。3日間とも、例年以上に盛況であった。

 夜は3日間、平和通りをパトロールし、野宿の労働者にジューシー(沖縄風炊き込みご飯)、さんぴん茶、沖縄そば(カップめん)、菓子、衣類、使い捨てカイロなどを配布した。

 昨年と比べて、配食に並ぶ人数は遥かに増えており、沖縄の「貧困率」の増大と比例するかのようだ。また、例年にも増して目立つのが、二〇代の若者たちである。若年の失業者の増大、「ワーキング・プア率」が「全国一」という実態と、これも比例している。

 沖縄の基地問題と貧困の問題は不可分一体である。われわれは、越年闘争を闘いぬいた地平に立って、2016年の激闘を全力で闘いぬく決意である。「反戦・仕事よこせ」の闘いをこれまで以上に推進し、名護新基地建設阻止の闘いへの日雇い・野宿の労働者の総決起を実現していく決意である。