3・21 伊方原発再稼動阻止現地闘争

伊方原発にむけて「再稼働を阻止するぞ」とシュプレヒコール(3月21日)
伊方原発にむけて「再稼働を阻止するぞ」とシュプレヒコール(3月21日)

3・21 伊方原発再稼働阻止現地闘争に決起

 

反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会

 

伊方原発ゲートへ進撃するデモを闘う

 

 3月21日、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、四国電力・伊方原発(愛媛県伊方町)3号機再稼働実力阻止を掲げ、伊方現地闘争に起ちあがった。

 午前8時、伊方原発直近の「道の駅きらら館」に釜ヶ崎の仲間たちが結集する。ただちにヘルメット、ゼッケンで身を固め、「伊方原発3号機の再稼働を阻止しよう」と大書した横断幕を先頭に、旗ザオを手に部隊は布陣する。デモ出発前に、全学連の同志が闘争の基調提起だ。

 そして、8時30分、伊方原発ゲートに向けてデモに撃って出る。「伊方原発再稼働を阻止するぞ」「日帝の核武装を阻止するぞ」「原発労働者はストライキで闘おう」とのシュプレヒコールで、伊方原発に向け進撃する。デモコースは海が迫る切り立った地形の険しい山道だ。デモ隊は山道を一気に下っていく。デモ中、原発関連の工事車両がひっきりなしに通っていく。21日当日は「春分の日」だったが休日も何もない。再稼働に向けた突貫工事が休日返上で強行されているのだ。「ヘリポートを建設しています」という四国電力の立て看板も至る所に設置されている。伊方原発3号機再稼働に向けた作業を強行する四国電力に対する部隊の怒りは、ますます高まる。

 いよいよゲートが目前に迫り、伊方原発が姿を見せる。再稼働阻止の意気高く、ゲートに向け進撃する。ゲート前に到着し、旗ザオを手に再度、怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、デモを終了した。

 最後に、釜ヶ崎の仲間達は、伊方原発へのシュプレヒコールを叩きつけ、この日の現地闘争をしめくくった。

 四国電力は3月3日、伊方原発3号機の再稼働に向けて「工事計画」認可の補正申請書を「原子力規制委員会」に提出した。耐震設計など工事計画の補正申請書の提出は今回で4度めだという。3月23日、「原子力規制委員会」は「工事計画」を「認可」し、これを受けて、翌24日、四国電力は「使用前検査」の申請を行なった。この「使用前検査」とは、「安全対策」が工事計画に基づいて行なわれているかどうかを「原子力規制委員会」が現地で確認するという、原発再稼働のためのセレモニーにすぎないものだ。そして四国電力は本年7月中にも伊方原発3号機再稼働を強行しようとしているのだ。伊方原発3号機再稼働を現地実力闘争の大爆発で実力阻止しよう。

 昨年2015年7月、伊方原発3号機は、「原子力規制委員会」の「適合性審査」に「合格」し、これを受けて10月に地元愛媛県と伊方町は再稼働に同意した。地元の「同意」なるものが盛んに喧伝されているが、3月11日付「愛媛新聞」によれば、愛媛県民対象の世論調査で「再稼働に否定的な意見は65・5パーセントだった」と報道されている。同県民世論調査では「再稼働に肯定的な意見は34・5パーセント」で、否定的意見が大きく上回っている。四国電力など四国内のブルジョアジーどもが盛んに伊方原発再稼働を煽ってきたが、地元商業紙の世論調査ですら、再稼働反対の意見が圧倒しているのだ。昨年11月8日と11月9日に、四国電力がアリバイ的に実施した「避難訓練」は、佐田岬半島で孤立することが予測される地元住民を海上自衛隊の艦船で対岸の大分に輸送するという、およそ非現実な内容となっており、地元住民の不信感がさらに増幅している。

 伊方原発直近には日本で最大の活断層である中央構造線が走っており、中央構造線が動けばマグニチュード8クラス級の巨大地震が発生するのは必至だ。そんな大地震が発生すれば、原発はひとたまりもない。対岸の大分県の杵築、竹田、由布 豊後高田の四市議会からですら、「大地震が起きる可能性があり、非常に高リスク」だとして「再稼働中止」の意見書が決議するほどだ。

 

反原発・反核燃闘争の爆発かちとろう

 

 伊方原発は四国西端の佐田岬半島のほぼ付け根に位置し、瀬戸内海に面している。1号機は1977年、2号機は1982年、再稼働申請中の3号機は1944年に運転を開始し、「福島第一原発事故」後の2012年1月から全基とも運転停止中である。

 再稼働が狙われている3号機は、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX) 燃料を原発で燃やす「プルサーマル」対応の原発である。2013年7月の「原子力規制委員会」の「新規制基準」施行から、伊方原発3号機が再稼働第1号と目されてきた。「安全対策が進んでいるから」なぞといった理由が喧伝されてきたが、その第一の理由はMOX燃料を燃やす「プルサーマル」発電の原子炉だからだ。これは、昨年2015五年8月、10月の九州電力・川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に続いて再稼働が強行されたのが、関西電力・高浜原発3号機、4号機だったことからも明白だ。高浜原発3号機、4号機は運転開始から30年経過しており、「新規制基準」を満たす「安全対策」が完了しているわけではない。しかも、高浜原発4号機は、2月26日の再稼働強行のわずか6日前に一時冷却系統で放射能汚染水漏れの重大事故を事故を起こしておきながら、関西電力は「予定通り」、2月26日に4号機再稼働を強行したのだ。これも、高浜原発3号機、4号機が「プルサーマル」発電の原子炉だからなのだ。伊方原発以降に再稼働が目される九州原発・玄海原発(佐賀県玄海町)3号機も「プルサーマル」対応の原発である。

 安倍政府が、「規制委」と電力会社の尻を叩き、「安全」「人命」をまったく無視して原発の再稼働と新(増)設に突き進むのも、破綻を重ねる「核燃料サイクル事業」にしがみつくのも、すべては核武装のためだ。原爆数千発分ものプルトニウムをため込んだ日帝が、プルトニウムを原子炉で燃やす「プルサーマル」計画にしがみつくのも核武装のためのプルトニウム保有政策の隠れ蓑に使うためだ。

 関西電力・高浜原発(福井県高浜町)4号機は、2月26日の再稼働強行の3日後の2月29日の発送電開始の際、原子炉が緊急停止し、現在も運転停止中である。高浜原発4号機に先行して1月29日に再稼働が強行された3号機は、3月9日の滋賀県・大津地裁が運転差し止め仮処分決定で、翌10日、運転を停止した。

 伊方原発3号機の再稼働が狙われている一方、四国電力は3月25日の取締役会で伊方原発1号機の「廃炉」を決定した。最長20年の運転延長には、「安全対策」に1700億円もの費用がかかり儲からないから、というのがその理由だ。これは要するに、「安全対策」にさほどカネをかけずに儲かりさえすれば、運転開始40年超の老朽原発でもどんどん運転延長するということだ。まったくふざけた理由だ。四国電力には、労働者人民の健康や安全などへの配慮なぞまったくないのだ。こんなものを許すわけにはいかない。伊方原発地元の八幡浜市で長年伊方原発に反対し、闘ってきた「八幡浜・原発から子どもを守る女の会」の斉間淳子氏は、「廃炉は原発推進の世論対策に過ぎない」と喝破している。 伊方原発再稼働阻止の現地闘争を闘う意義は、労働者人民の実力阻止闘争を組織化し、地元住民の闘いへの決起を組織化することにある。同時に、伊方原発労働者みずからが再稼働阻止のストライキに決起することを呼びかけ、組織化することにある。労働者人民の被曝なしに存在しえない原発は、即刻廃止するしかない。核武装のための原子力政策は、ただちに葬り去らねばならない。