乾坤一擲

乾坤一擲(けんこんいってき) 

 

 7月10日投・開票の参院選は、自民が単独で過半数を制し、「改憲勢力」が改憲の発議に必要となる3分の2超の議席を獲得した。9月下旬に始まる臨時国会で、一気に改憲攻撃が激化しようとしている。▼参院選にあたって、安倍は、改憲が争点化することを徹底的に避けた。安倍の究極の目的である天皇の元首化と自衛隊の国防軍化を核心とする改憲の野望については一切語らず、ひたすら「アベノミクスは道なかば」「アベノミクスのアクセルを大きく踏み込む」と、経済対策を「最優先課題」として押し出した。▼「3年連続の賃金上昇」「100万人の雇用増」「全国で求人倍率1倍以上」なぞというウソをばらまき、「アベノミクス効果」なるペテンで有権者を騙し、「参院選圧勝」で一気に改憲に突き進もうという、ウソを平然と使うファシスト的な手口だ。▼安倍は、「一億総活躍プラン」なる経済対策を打ち出したが、本気でやろうとしているのは「働き方改革」であり、その中味は「労働基準法」改悪をもっての「残業代ゼロ化」、「解雇の金銭解決制度」創設をもっての「首切り自由化」、「同一労働同一賃金」を騙って賃金・労働条件の「非正規」水準への切り下げだ。▼安保容認の翼賛野党が推進した「野党共闘」は、労働者人民の「安保法制関連法」「名護新基地建設」「原発再稼働」への怒りとはまったく無縁な翼賛野党の〝生き残り〟策でしかなかった。全労交が翼賛国会粉砕、自衛隊の実戦軍化粉砕、「産業報国会」型労働運動粉砕の闘いの先頭に起とう。(木村)