乾坤一擲

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 米大統領選でトランプが勝利した。トランプは、煽動的に人種差別発言や女性差別発言を繰り返す差別・排外主義者だ。選挙期間中は、「アメリカの衰退」を嘆き、「米国を再び偉大にする」と称し、「我々の計画は、米国が最優先となり、グローバリズムではなくアメリカニズムが信条となる」と宣言し、移民の排除や保護貿易主義を主張した。それゆえ、トランプは、「北米自由貿易協定」(NAFTA)が「米国の失業につながっている」と言って「見直し」を主張し、「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)からの「離脱」を主張したとされる。▼トランプを勝利に導いたのは、「ラストベルト」(錆びついた工業地帯)で没落を強いられる中間層の労働者の危機感だという分析がある。世界で軍事力を行使することでドルを基軸通貨とし、その利益を手に入れていたのが米帝だ。「北大西洋条約機構」(NATO)を「お荷物」と言ったり、「朝鮮半島や中東での軍事的関与をやめる」という主旨の発言は、没落する中間層などから気を引くための「方便」でしかない。▼トランプと安倍は、自国民の優位性を煽動し、差別主義・排外主義の下に収約しようとする共通性がある。イギリスのEUからの離脱の背景にあった移民排斥―差別主義・排外主義の流れが一段と深まり、ファシズムの土台が醸成されている。安倍は、トランプの「日本も核武装すればいい」なぞという言葉に喜び、「戦争屋」の本性を露骨にしていくだろう。これを許さぬ労働組合運動の飛躍が求められている。(木村)