8・29「再発防止研修」粉砕闘争

田中氏への転向強要=「再発防止研修」を弾劾して闘う労働者
田中氏への転向強要=「再発防止研修」を弾劾して闘う労働者

8・29「君が代」不起立被処分者に対する「再発防止研修」粉砕闘争

 

 8月29日、東京都教育委員会は、「君が代」不起立を闘い続ける石神井特別支援学校に勤務する田中聡史氏に対して、「所属校研修」と言いながら、田中氏を生徒や学校から引き剥がし、東京都教職員研修センター(研修センター)に呼びつけ、思想転向を強要するための「服務事故再発防止研修(再発防止研修)」を強行した。これに対して、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)」は、「再発防止研修」抗議・該当者支援の行動を呼びかけた。

 午前9時20分、台風の影響による雨の中、60人を超える支援者が研修センター前に結集し、抗議集会から行動を開始した。この日、研修センター正門のゲートは閉められ、ゲートから玄関までの前庭には20人以上の都教委と研修センターの職員が立ちはだかっている。これまでの2倍近い職員が動員されている。「所属校研修」とは名ばかりで、田中氏に授業があろうと、授業を受けられない生徒が出ようとお構いなしに「研修センターで研修を受けろ」という職務命令を校長に出させ、「10・23通達」に屈服させようとする都教委の姿勢が露骨に表れている。

 「被処分者の会」事務局長の近藤氏の行動提起に続いて、弁護団の澤藤弁護士が申し入れを行ない、「被処分者の会」、「ひのきみ全国ネット」、「練馬教育問題交流会」、「河原井さん・根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」の4団体が都教委に対する抗議・要請を行なった。これに対する研修センター総務課長の回答は、「本日の研修は予定通り実施します」「適正に実施してまいります」と繰り返し、「抗議・要請なぞ聞く耳持たぬ」という姿勢を露骨に示すものであり、参加者全員から弾劾の声が上がった。

 9時55分になり、10時からの「研修」に臨む田中氏を支援者の拍手で送り出し、全体で「田中さん頑張れ!」とシュプレヒコールをあげる。田中氏を送り出した後も、抗議集会は続けられた。東京・山谷日雇労働組合は、闘う教育労働者からの山谷夏祭りへの支援カンパに御礼を述べ、「お上の決めたことには黙って従え」という攻撃が山谷でも強まり、それに対する追及の闘いを行なったことを報告し、都教委や研修センターの一切の抗議を無視して思想転向を強要する攻撃を、共に粉砕する決意を明らかにした。

 30分ほどの休憩の後、田中氏への「研修」が終わる11時前に抗議集会が再開された。

 11時過ぎに「研修」を終えて戻ってきた田中氏は、支援活動への御礼を述べ、「『振り返り』研修では、『今後、どう教育に取り組むか?』『研修をどのように理解したか?」という『振り返りシート』の設問があったが、明らかに、同じことの繰り返しであり、思想・良心の自由に踏み込むものだ。裁判所の決定(東京地裁、2004年7月)にあたかも挑戦しているかのようだ。教育委員会は、このような態度をとるべきではない」と批判した。

 田中氏への「再発防止研修」は、「所属校研修Ⅱ」(1回目・6月15日「地方公務員法及び適正な教育課程の実施」及び演習「振り返りシート」、2回目・7月15日「事例問題等の演習」、3回目・8月29日「研修内容の振り返り」に続き、9月にも「センター研修」(2回目)が狙われている。当日の行動の集約に起った近藤氏は、「都教委は、今日の時点では2回目の『センター研修』の日時は言っていませんが、校長を通じて伝えてくると思われます。闘いは、まだまだ続きます。ともに闘いましょう」と呼びかけ、参加者全体が確認した。

 「日の丸・君が代」強制―「10・23通達」と対決する現役教育労働者への攻撃を粉砕する闘いをさらに強化していこう。

                     〈東京都地域連合労働組合〉