6・17トヨタ東京本社門前闘争

フィリピントヨタ労組と連帯してトヨタ資本追及行動を闘う
フィリピントヨタ労組と連帯してトヨタ資本追及行動を闘う

フィリピントヨタ労組237人の解雇を撤回せよ!

6・17トヨタ東京本社門前闘争

 

海外での労組破壊を居直るトヨタ資本を徹底追及

 

 6月17日、午後3時50分から、東京・飯田橋のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」の一環として、15年間にわたってフィリピン現地工場での不当解雇を居直り、今なお労組破壊工作を続けるトヨタ資本を徹底的に追及する行動が闘われた。

 この日の東京総行動の最後の争議対象となったトヨタ東京本社前には労働組合潰しや不当解雇攻撃と闘う労働組合が多数結集し、歩道を埋め尽くして門前集会を闘った。はじめに主催者あいさつに起った「けんり総行動実行委員会」事務局長の寺島氏(東京全労協代表)は、「参院選挙後には、憲法が改悪されるのか、労働法制が改悪され私たちの闘いでかちとってきた8時間労働制がなきものにされ『残業代ゼロ』―働かせ放題の労働時間規制になるのか、いつでも首が切れるような金銭で解雇をしていく労働法制になっていくのか、道が大きく分かれようとしている。フィリピントヨタの闘いは、日本の企業が国内の人件費が上がる中で、東南アジアや韓国に進出して低賃金と劣悪な労働条件を強制し、それに対して労働者が労働条件を向上させようとして労働組合を結成したことを潰そうとする攻撃との闘いです。世界に名だたるトヨタが解雇、団体交渉拒否、労働組合潰しの攻撃を強行し、15年間にもわたって居直り続けている。労働者の生活と権利を守り、向上させるために、徹底的に闘いぬいてトヨタの姿勢をあらためさせ、勝利をもぎ取っていきましょう」と決意を述べた。続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」の代表・山際氏がマイクを取り、「トヨタは今、3兆円近い利益を上げて『我が世の春』と思っているかもしれません。しかし、その足元では様々な問題が起きています。『国際労働機関』(ILO)からフィリピントヨタの問題でフィリピン政府は、数次の勧告を受けています。勧告の対象はフィリピン政府に対するものですが、内容はトヨタに対して『15年余に及ぶ不当解雇問題を解決しろ』と宣言したものです。トヨタにフィリピントヨタ労組の要求を受け入れさせ、勝利するまで共に闘っていきましょう」と呼びかけた。フィリピントヨタ労組を受け入れ、共に闘ってきた全造船関東地協の早川事務局長は、「愛知のトヨタ本社、東京本社、フィリピン現地での闘いは100回を超え、200回近くに及んでいます。しかし、トヨタには、労使紛争を解決しようという姿勢は見えません。トヨタの居直りを許さず、フィリピン現地の闘いと日本での闘いを結合させて、必ずや勝利しようと決意しています。今後とも支援をお願いします」と訴えた。

 

トヨタ資本を防衛してきたフィリピン政権に「ノー!」が突きつけられた

 

 フィリピン現地での闘いとフィリピン政権の変化について、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局長の田中氏が発言する。「フィリピン現地では、3月16日に、不当解雇15周年の闘いをサンタロサの工場で展開されました。フィリピントヨタ労組は、この闘いは政治的・思想的に勝利しているんだと宣言し、工場で働く労働者に最後の勝利をもぎ取るために共に闘おうと訴える行動を闘いぬいたのです。5月に大統領選挙が行なわれ、アキノ大統領の後継者・ロハスを破ってドゥテルテ氏が当選しました。アキノ大統領が進めてきた多国籍企業を優遇して労働者に犠牲を強制するやり方にフィリピン労働者が『ノー』を突きつけたということです。アキノが後継者としていたロハスは、フィリピントヨタのストライキを潰し、解雇を有効とする判決にするために、当時のアロヨ大統領に『トヨタが資本を引き上げるぞ』と脅しをかけた人物です。トヨタは『フィリピン政府さえ握っていればどうにでもなる』と考えていたが、今回の大統領選でその思惑が大きく外れることになった。ドゥテルテ新大統領は、フィリピンの労働問題を解決するために、組閣の第一番目として労働大臣に元法務省長官で〝人権派弁護士〟と呼ばれるベロ氏を任命し、契約社員制度の廃止や未解決労働争議の解決に力を入れる姿勢を示しています。日本の日本航空(JAL)と似たフィリピン航空(PAL)では、2000人の『正規社員』を解雇して、契約社員にするという動きや、ある造船所では、800人だけ『正規社員』を残して1万人以上を契約社員にしてしまうといったことが起きています。契約社員制度を悪用する資本のえげつないやり方が横行しています。ドゥテルテ氏は、こういった問題を撤廃していく労働行政をやろうとしています。また、労働争議の洗い直しもやろうとしています。フィリピントヨタ労組の争議が取り上げられるのは間違いありません。次の東京総行動までには、新たな動きが起きているでしょう。フィリピン現地では待ちの姿勢ではなく、新たな政治状況のなかで闘う決意を固めています」。

 門前集会は、つづいてトヨタ東京本社に対して、「トヨタは、組合潰しをやめろ!」「トヨタは、237人の解雇を撤回しろ!」「解雇を撤回して職場に戻せ!」「トヨタは、ILO勧告に従え!」「トヨタは、争議を解決しろ!」「トヨタは、団交を行なえ!」「豊田章男社長は、争議を解決しろ!」「世界の仲間と闘うぞ!」とシュプレヒコールを叩きつけた。連帯あいさつとしてJAL争議団、フジビ争議団からの発言を受け、最後に「団結ガンバロー」を三唱し、当日の行動を終えていった。  〈東京・山谷日雇労働組合〉