7・24「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会〈大阪〉

7・24 「『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」〈大阪〉

 

 7月24日、「『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会☆2016 ~たたかいを全国から大阪へ、大阪から全国へ~」が、大阪において開催された。主催は、「『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会実行委員会」。連絡先は、「『日の丸・君が代』強制反対大阪ネット」である。

 会場のエルおおさか六階大会議室に闘う労働者が続々と結集し、午前10時30分より集会が開始される。

 まず、「大阪ネット」より司会者あいさつが行なわれる。「参議院選で改憲派が3分の2に達した。安倍政権が『改憲』をひた隠しにて得た結果だ」「全国各地では、東京や大阪以上に厳しい条件の下でも、『日の丸・君が代』強制としたたかに闘い続けている教職員がいる。あきらめずに継続すること、そして力を結集することで、権力の目論見を跳ね返すことができると私たちは確信している」「『日の丸・君が代』不当処分を許さず、全国の教職員や市民・労働者と手をつなぎ、安倍政権の改憲策動と闘っていこう」。

 

〈第一部 各地の闘いの報告〉

 

 第一部 各地の闘いの報告にはいる。まず、最初に、神奈川から〈個人情報保護条例を活かす会〉からの報告、続いて、千葉から〈千葉高教組「日の丸・君が代」対策委員会〉からの報告があり、次に、東京の六団体からの報告だ。最初に、〈河原井・根津最高裁判決報告〉ということで〈河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会〉を代表して、当該・根津公子氏は、「昨年5月28日、東京高裁判決は、私が予想してなかったまさかの勝訴で、停職6ヵ月処分取り消しが確定した。私と河原井純子さんにそれぞれ10万円の損害賠償も決定した。この判決は、①「過去の処分歴」を使って処分を加重することは許されない、②不起立で免職はあってはならない、③『思想・良心の自由の間接的な侵害』から『思想・良心の自由の実質的侵害につながる』(違憲判断が一歩前進)、④勤務時間外の社前抗議活動に対しての処分は違法である、と言っている。皆さん本当にありがとう」。このあと、司会者が、「根津さんの勝訴は、大阪の『同一の職務命令違反3回で免職の違法性』をさらに確実にし、東京都教育委員会の解釈に立っても『減給1ヵ月以上の処分はできない』ことが明らかになった。全国の闘いに広げていこう」、と提起した。〈再雇用拒否撤回を求める第2次原告〉・青木茂雄氏、〈東京「君が代」裁判第3次訴訟原告〉・花輪紅一郎氏、〈東京・ビラまき交流実行委員会〉・渡部秀清氏、〈「日の丸・君が代」問題等全国ネット・首都圏〉・永井栄俊氏と続き、東京からの報告の最後に、〈河原井純子氏からのメッセージ〉を、近藤順一氏が紹介した。さらに、兵庫から〈『日の丸・君が代』の強制に反対する阪神連絡会〉・石川豊子氏、〈憲法=九条改悪に反対し、改悪教育基本法を許さない!実行委員会・福岡〉・木田氏、〈宮城の小学校教員〉・土屋聡氏、〈許すな!『日の丸・君が代』強制、止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク(ひのきみ全国ネット)〉・小野政美氏と続き、高嶋伸欣氏(琉球大学名誉教授)が、〈東京都教育委員会『オリンピック読本』と『君が代』強制教育〉と題する「特別報告」を行なった。

 

〈第二部 「文化行事」と「パネルディスカッション」〉

 

 第二部は、「文化行事」。2人の教師による天皇制批判、教科書問題、「不起立」を讃える歌のギター演奏が行われた。

 その後、「パネルディスカッション」だ。題は、〈「戦争法廃止」とむすび、地域・学校から「日の丸・君が代」に抗う~人権救済勧告の取り組み、地域での活動から~〉。パネラーは、〈『君が代』処分撤回弁護団〉の永嶋靖久氏、〈芦間高校教員〉の梅原聡氏、〈同元保護者・生徒〉、〈元高槻市教員〉の山田肇氏である。

 

〈第三部 大阪からの報告〉

 

 第三部は、大阪からの報告である。最初に、松田幹雄氏、続いて、〈「君が代不起立」戒告処分撤回合同裁判の報告原告〉の松村宜彦氏(大阪ZAZA)、〈「君が代不起立」解雇撤回訴訟原告団〉・野村尚氏、〈「君が代不起立」減給処分取消訴訟原告〉・奥野泰孝氏、辻谷博子氏、佐藤訓子氏(元豊中市立小学校)、〈高槻市立小中学校への『日の丸』常時掲揚を許さない会〉・山本氏、〈子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会〉・伊賀氏が発言した。

 そして、黒田伊彦氏(大阪ネット・代表)が〈まとめと課題提起〉を行なう。黒田氏は、「闘いの成果を全国に広げていこう。『君が代』に反対するのは当然であり、歌わない自由もある。大阪府『国旗国歌条例』は、教職員に起立斉唱を強要し、子どもたちに愛国心を植えつけるものである。在日韓国・朝鮮人の教師・生徒・保護者らには、同化を強いるものであり、それは差別である」「大衆運動が、裁判闘争に勝ち、人権を確立する新しい切り口や理論を創造していかなければならない」「卒・入学式における『日の丸・君が代』は、慣例上の儀礼的所作であり、国家神道を引きずった宗教的行為であり、憲法二〇条(信教の自由、国の宗教活動の禁止)違反である」「戦後、天皇・ヒロヒトは人間宣言をし、神格性は否定したが、神の末裔(子孫)であることを否定することは拒否した。天皇としての存在価値が否定されるからである」「各地域でのビラまきと教育委員会交渉を行なっていく。秋に各地の課題を集約し、文部科学省と交渉する」「歴史における進歩とは、理屈にあわない不条理の苦痛をどれだけ除去するかである。権利獲得のために闘っていこう」とした。

 最後に、集会アピール(案)が、全体の拍手で確認され、参加者のほとんどが、大阪市役所へのデモを貫徹し、この日の行動を終えた。

                    〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉