「乾坤一擲」(けんこんいってき)

乾坤一擲(けんこんいってき)

 

 6月29日、安倍政府は、参院本会議で、「働き方改革関連一括法(一括法)」案を、自民・公明と「日本維新の会」などの賛成により可決―成立させた。「残業代ゼロ化」の「高度プロフェッショナル制度」創設や、労災認定における「過労死ライン」とされる「1ヵ月80時間」の時間外労働を合法とする「一括法」の施行は、原則2019年4月となっている。▼労働現場での闘いでこれを粉砕することは自明の方針だが、これに加えて、今国会で急速に進行した「連合」の翼賛労働運動への転落、自称「野党」の翼賛政党化を見逃してはならない。参院本会議での採決の時点で国会闘争を闘ったのは、衆院と同様、東京・山谷日雇労働組合の呼びかけに応えて決起した労働者だけであった。▼「連合」は、表面上、「高度プロフェッショナル制度には反対」と言っていたが、「一括法」そのものには賛成―早期成立の立場であり、国会闘争は一切取り組まず、たった1回、新橋駅前に宣伝カーを出し、アリバイ作りをやるだけであった。▼自称「野党」も、衆院では、第一野党の立憲民主党の国対が、「委員会審議を2時間入れたら、本会議採決を認める」なぞというボス交を自民党の国対と行ない、参院では、「対決より解決」を売り文句にする第一野党の国民民主党が、厚生労働委員長に対する解任決議案を本会議で扱わないなぞという自民党の荒業に同意し、本会議採決を推進した。▼ますます翼賛政党に成り果てている「野党」に期待した「野党共闘」なぞ敗北の道でしかない。「翼賛国会粉砕」を鮮明にした階級的革命的労働運動の原則的闘いが決定的に重要だ(木村)