「乾坤一擲」(けんこんいってき)

「乾坤一擲」(けんこんいってき)

 

 「働き方改革関連一括法(一括法)」案は、戦後労働法制を根底から覆す攻撃であったにも関わらず、労働組合運動による阻止闘争は余りにも少なかった。▼5000万労働者に「残業代ゼロ化」を強制するための突破口としての「高度プロフェショナル制度」の創設や、今後の労働政策の目的を「生産性向上」に置くとする「一括法」案は、戦後労働運動が闘ってきた「反マル生闘争」などの地平を一掃することを狙っていたにもかかわらずだ。▼そのような日本労働運動の惨状の中で、全労交に結集する労組部隊が、「翼賛国会粉砕」の旗幟を鮮明にして、衆・参つらぬく採決阻止の対国会闘争を貫徹したことは、日本労働運動を戦争協力の「産業報国会」型労働運動に転落させようとする攻撃を打ち破る唯一の展望と言っても過言ではない。▼9月20日、安倍が自民党総裁選で三選を果たした。安倍は、秋の臨時国会に「改憲案」を提出すると宣言している。来年夏の参院選前に改憲の国民投票を強行する政治日程が現実化している。天皇・アキヒトの退位による天皇制攻撃も激化しようとしている。まさに、日本労働運動の正念場が来ている。「戦後労働運動の限界の根底的突破」を掲げて出発した全労交にとっても、存在意義が問われる局面だ。▼安倍の戦争遂行と戦時国家体制形成攻撃に対決する階級的労働運動の一挙的な飛躍が求められている。資本と運命を共にする翼賛政党による「野党共闘」なぞに期待する勢力を踏み越え、「改憲国会粉砕」を正面に掲げた巨大な労組部隊の建設を全力で成し遂げよう。(木村)