8・4大間原発建設阻止現地闘争

機動隊の規制を跳ね返し、大間原発に肉薄するデモ隊
機動隊の規制を跳ね返し、大間原発に肉薄するデモ隊

8・4大間原発建設阻止現地闘争

 

      東京・山谷日雇労働組合

 

 8月4日、東京・山谷日雇労働組合は、闘う仲間達とともに、青森県大間町で建設中の「電源開発」(Jパワー)・大間原発建設阻止の現地闘争に決起した。大間原発は、日帝が核武装するために、核兵器の原料・プルトニウムを保有することを正当化する「世界初のフルMOX炉」という「隠れ蓑」の位置を持たされている。そうであるが故に、大間原発建設阻止闘争は、日帝の核武装を阻止するという大きな意味を持っている。改憲と核武装を強行するという安倍の目論見を破綻に追い込む闘いに決起したのだ。

 8月4日早朝、本州最北端の大間現地に到着した闘う部隊に対して、青森県警は、大量の機動隊や公安警察官の乗った私服車両を配備し、闘争破壊と弾圧の体制を敷いた。闘いの決意に燃えた部隊は、これらの弾圧体制に一指も触れさせることなく、横断幕を広げ、青ヘルを着け、旗竿を持ち、闘争体制を整える。大間原発から数百メートルしか離れていないデモ出発地点の回りには、多くの民家がある。「福島第一原発事故」によって、原発の危険性を目の当たりにした地元住民が、闘う部隊の登場に注目を寄せる。

 大間原発に肉薄する戦闘的なデモ出発に先立ち、闘う仲間が基調提起に起つ。「安倍政府は、破綻が明らかになった原子力政策にしがみつき、大間原発の建設を強行しようとしている。その目的は、核兵器の材料であるプルトニウムを持ち続け、核兵器を作るための技術を持ち続けるために他ならない。国策会社として出発したJパワーは、『安倍政府の後押しがあるから、大間原発は完成させることができる』なぞと考えているだろうが、労働者人民の被曝を前提にした原発、核兵器を持つための隠れ蓑の役割を果たす原発なぞ、原発労働者の原発廃止にむけた決起と、労働者人民の怒りの包囲で潰すしかない。本日の闘いを、そういうものとしてやりぬいていこう」「六ヶ所再処理工場の本格操業を阻止し、『核燃料サイクル計画』を粉砕せよ。原発再稼働・新(増)設を阻止し、すべての原発の即時廃止をかちとれ。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとれ」。提起された基調は、圧倒的な拍手と「ヨシ!」の声で部隊全体で確認された。

 午前9時、いよいよ、大間原発建設阻止にむけた実力進撃デモの開始だ。デモ出発地点から200メートルほどの坂道の両側には民家があり、坂道を過ぎると建設中の大間原発が、「民家からこんなに近いのか」と驚くほどの近さで見えてくる。部隊は、ただちにシュプレヒコールを叩きつける。青森県警機動隊が完全武装で規制に入り、部隊に張り付くが、デモ隊は、これを一蹴して戦闘的なデモを貫徹する。大間原発の外周フェンス沿いを決意に燃えたデモ隊が進撃する。いよいよ、部隊が、工事用車両の入口ゲートに到着する。入口ゲートを守るために配置された大間原発の社員やガードマンは、部隊の接近に動揺している。部隊は、入口ゲート全面を封鎖するように横断幕を広げ、旗竿を手に、シュプレヒコールを叩きつける。大間原発の防衛のために出動した機動隊は、闘う部隊が大間原発に対して旗竿を突き出すごとにマイクで「やめなさい」と警告を発する。闘う部隊は、思う存分に怒りのシュプレヒコールを叩きつけた。

工事用ゲート前を制圧し、シュプレヒコールを叩きつける
工事用ゲート前を制圧し、シュプレヒコールを叩きつける

 戦闘的なデモと入口ゲートを封鎖する闘いを貫徹したデモ隊は、ゲート脇の空き地に移動し、総括集会を開始する。大間現地闘争を共に闘いぬいた「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の呼びかけ人である日本キリスト教改革派亘理教会牧師・林茂雄氏からの連帯あいさつを受ける。「皆さんと大間でのデモを闘うのは、今回で8回目になります。人間や他の生き物の生命のことをまったく考えない原発の建設は絶対許してはなりません。聖書に『ノアの洪水』の話があります。これは、『神が大空と地下から大量の水をもたらした』とされていますが、私は、『大量の水』とは、放射能のことだと考えます。これによって人間や生き物の寿命が短くなった。電力会社の金儲けと核兵器を持つことを目的にした原発を一日も早く廃止するために、今後も共に頑張りましょう」。林牧師からの連帯あいさつに、部隊から圧倒的な拍手が湧きあがる。

 集約提起の後、デモ隊は、最後に、眼前に見える大間原発に向けてシュプレヒコールを叩きつけ、当日の闘争を終えていった。