8・20 「関西生コン」に対する大阪第二次弾圧第三回公判闘争

8・20 関西生コンに対する大阪第二次弾圧第三回公判闘争

 

8・20滋賀県警による新たな弾圧を許すな

 

 8月20日、午前8時半から、大阪地裁一帯を闘う労働組合が制圧して、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関西地区生コン支部)」に対する大規模な弾圧の一環である「大阪第二次弾圧」の第三回公判闘争が闘いぬかれた。

 「関西地区生コン支部」を壊滅させようとする不当弾圧が執拗に続いている。大阪で公判闘争が闘われるこの日、滋賀県警組織犯罪対策課は、6月18日に大津市の「ネッツ・トヨタ販売」の建設現場で「関西地区生コン支部」が行なったコンプライアンス活動を「恐喝未遂」、工事発注元の会社役員の自宅周辺で行なったビラまきを「威力業務妨害」とデッチ上げて5人を不当逮捕した件で、「関西地区生コン支部」の副委員長・Y氏に対して「威力業務妨害」をデッチ上げ、不当逮捕した。Y副委員長は、「ネッツ・トヨタ販売」の建設現場には行っていない。滋賀県警は、「Y副委員長が建設現場に対する嫌がらせの『主導的』な役割をした」として不当逮捕したのだ。これは、「共謀罪」の適用を見すえた弾圧に他ならない。また、8月20日の産経新聞の朝刊には、逮捕前にもかかわらず、記事が掲載されている。「建設工事現場で、現場監督らに『これ、汚水じゃないですか』などと因縁をつけた」という記事だ。警察がマスコミを使い、キャンペーンを張りながら不当弾圧を強行しているのだ。

 

「大阪生コン広域協組」が動員した黒服集団と対峙して闘う

 

 「関西地区生コン支部」が2017年12月12、13日に闘ったストライキに対して「強要未遂」や「威力業務妨害」、「暴行」をデッチ上げた弾圧は、2018年9月18日に16人が逮捕された「宇部三菱大阪港サービスステーション(SS)事件」、10月9日に8人が逮捕された「中央大阪生コン事件」が併合され、副委員長・N氏をはじめ8人起訴された「大阪第一次弾圧」が8月9日に第6回公判闘争が闘われている。2018年11月21日に武委員長をはじめ4人が逮捕され、武委員長と執行委員2人が起訴された「宇部三菱・中央大阪事件」は、「大阪第二次弾圧」として、5月27日に第一回公判闘争、7月9日に第二回公判闘争が闘われ、この日は第三回公判闘争だ。

 午前8時半、大阪地裁正門前に集まった「関西地区生コン支部」の組合員や支援の労働者は、「大阪生コン広域協組」が動員した黒服集団が傍聴席を制圧することを許さない傍聴券の抽選から闘いを開始した。午前9時、抽選にむけた掲示が出されると、全員が裁判所敷地内に入る。生コン運送費を上げる約束を反故にして作った「関西地区生コン支部」を潰すための「10億円」とも言われる資金を使って、今日も100人近くの黒服集団が動員されている。しかし、その黒服集団から漏れ聞こえる会話は、「『裁判の前日から大阪に集まるな』と言われている。『前日から集まると〝よからぬ話〟が起きるから』だそうだ。朝早くから車で大阪まで来んといかん」というものだ。金の力と上からの命令で動員されている黒服集団に迫力はなく、「大阪生コン広域協組」を牛耳る連中への不信と「公判が早く終わって欲しい」という姿勢がアリアリだ。抽選の結果は、闘う労働者の側が多くの傍聴券を獲得した。結集した労働者は、傍聴券を手に、「不当弾圧粉砕」の決意も固く、大阪地裁第201号法廷に入っていく。

 この日の検察側証人は、「宇部三菱大阪港SS」でバラセメント輸送を請け負っている植田組の代表取締役社長の江袋だ。江袋は、「大阪第一次弾圧」の公判でも検察側証人として立っている輩だ。江袋に対する検察の主尋問は、2017年12月のストライキではなく、2000年前後や2010年頃、「関西地区生コン支部」が植田組に求めた「近畿バラセメント輸送協同組合」への加入などの出来事について、尋問に時間を費やした。これに対して弁護人から異議が出され、裁判長は異議を却下しつつも、検察に対して「長い、シンプルにしてください。これから5分以上同じ尋問をやったら、制限します」と言わざるを得ないほどであった。検察は、ストライキとは関係のない、「関西地区生コン支部」への悪印象を植え付けるための尋問に終始したのだ。

 

検察側証人・江袋が「警察と弁護士に助言され、刑事事件にした」と証言

 

 これに対して、弁護側の反対尋問は、江袋から「ストライキ対策で事前に多めのバラセメントを出荷していた」「元々被害届を出すつもりはなかったが、警察がストライキの次の週から会社へ事情聴取に来て、警察と弁護士に助言されて刑事事件にした」という証言を引き出した。江袋の証言からは、「出荷妨害」と言えるような「被害」はなく、警察主導の「被害届」提出であったことが明らかになった。

 午後2時過ぎには第2回公判が終了した。公判闘争終了後、大阪地裁正門前で行なわれた集約では、弁護人が、「検察は、『関西生コンは大変なことをやる集団だ』と印象付けようとしていたが、弁護側の異議で阻止できた」「本件とはあまり関係の無い話を大々的に展開しているだけだということはハッキリできた」と報告し、最後に「労働組合への大弾圧を許さない実行委員会」から「これからも大津地裁や大阪地裁、京都地裁と公判は続きますが、関生支部は、勾留されている仲間を取り戻し、権力弾圧を粉砕するまで闘います。支援者のみなさんには引き続きご支援ご協力をお願いします」という集約提起が行なわれ、当日の闘いを終えていった。

 生コン会社、警察、ヤクザが一体となって「関西地区生コン支部」の壊滅を狙った不当弾圧を粉砕する闘いの前進と勝利をかちとろう。

                      〈反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会〉