全国労働組合運動交流会・結成宣言

 (一)

 世界大恐慌爆発情勢が深化し、失業と飢餓の嵐が全世界を覆っている。ホルムズ海峡と朝鮮半島をめぐる戦争の危機が一触即発の状態となっている。こうした時代こそ、真に解決力ある日本労働運動を建設しなければならない。ここに、全国労働組合運動交流会(全労交)の結成を宣言する。

 労働者階級への搾取と収奪、ブルジョアによる政治支配によって成り立っている資本主義世界経済は世界恐慌の爆発を目前にしている。中央銀行が紙幣を際限なく増刷してバラ撒かなければ経済活動が停止し、国家財政の破綻のために政府の財政出動による資本の救済も不可能な局面に行き着いているのだ。 

 世界人口70億人のうちの14億人が一日一ドル未満の飢餓生活を強制され、世界の失業人口は2億人を突破し、ヨーロッパでは失業率が20パーセント、青年層に至っては40パーセントを上回っている。これに対して世界の労働者達は、「工場法」以前の状態に労働者階級を叩き落すことを狙った解雇、賃下げ、増税、社会保障制度の解体を内容とする「緊縮財政政策」と「非正規化」を核心とする「労働市場改革」と対決してゼネスト、工場占拠、街頭行動を激烈に闘いぬいている。 

 (二)

 「総資本対総労働」の闘いとして「三井・三池闘争」以来の日本労働運動の「天王山」の位置を持っていた「国鉄決戦」は「政治解決」に国労、建交労などの労働組合が身を委ね、決戦を決戦として闘うことなく敗北した。闘うことなく敗北した「二・一スト」中止の教訓は活かされなかった。 

 今日、自治労をはじめとする公務員労働運動もまた「公務員制度改革」攻撃に現場からの闘いを組織せず、2012年春闘の真っ只中で国家公務員の7・8パーセントもの賃下げが決定し、地方公務員や民間労働者の賃下げに道をひらくという状態になりはてている。

 しかし、日本の「非正規雇用率」が35・2パーセントに達する中、「非正規雇用」労働者は、資本の「九割非正規化」攻撃と対決し、不当判決に屈することなく「人身売買法をなくせ」「われわれがあきらめなければ、この闘いは必ず勝つ」「『正社員』とも結びつくことはできる」と、勝利にむけた不動の確信をもって闘いぬいている。

 全国寄せ場の日雇い労働者は労働組合運動の原点ともいうべき「一人の野垂れ死にも許すな、生きてやり返せ」と貫徹した越年・越冬闘争を起点に、「反戦・反失業」の基調のもと、建設資本・日本経団連・厚生労働省に対する追及・弾劾行動を貫徹し、あらゆる産別の闘いとの共同闘争を闘いぬいている。

 (三)

 全労交は、政府―軍による組合員の虐殺にもひるむことなくゼネスト、工場占拠、街頭行動を闘う世界の労働者達の如く闘う労働運動を目指し、決戦を決戦として闘いえない不徹底さをくり返してきた日本の「戦後労働運動」の根底的突破を目指して闘う。

 全労交は、「正規雇用」―「非正規雇用」の分断、「本工主義」、「労使運命共同体」への集約を突破し、「直接雇用」「無期限雇用」の原則のもと、労働者の使い捨てを強める資本の「九割非正規化」攻撃を粉砕する。

 全労交は、中国電力の豊北原発建設計画を中止に追い込んだ「電産中国」の闘いを引き継ぎ、原発労働者をはじめとする労働者人民の放射線被曝という犠牲なしには存在できないすべての原発の廃止に向け闘う。

 全労交は「連合」、全労連を超える日本労働運動の新たな結集軸の建設を目指して全国の戦闘的労働組合運動の交流を実現する。

 

2012年6月24日

参加者一同